バトルスのリミックスと評判

バトルスは、アメリカニューヨーク出身のエクスペリメンタルの要素が特長的なグループです。2007年のアルバム発表以前までは、3枚のEPを中心に、オルタナティブインストバンドとしての活動を続けていましたが、大々的なボーカルフィーチャーも加えた、ファーストアルバム「ミラード」では、ポスト分野のコアさ際立つレッテルを引きはがし、さらに音楽性の幅を広げ、シーンにインパクトを与えました。

 

個性的でトリッキーな変拍子はこの頃より程よく抑えられる形となり、コアサウンドファン以外の層も惹き付ける形となりました。そんな同バンドが、メンバー脱退、そしてゲストアーティスト起用などを経て2012年に発表した「ドロスグロップ」が、注目を集める存在となっています。ファースト以降、シンセサイザーの音色を加えたりと、またさらにブライト感をも追求したセカンド「グロス・ドロップ」のリミックス盤としてリリースされた作品です。

 

ポスト・ロックやポスト・ハードコアと言ったシーンにおける閉塞傾向が目立つ昨今ですが、そんな流れに終止符を打つ存在ともなり得ると言われる、評判高い1枚となっています。とにかく注視したい点が、豪華なリミキサーメンバーとなっています。テクノロックからオルタナ色の強いアーティストまで、複数の個性が彼らの音に彩りを加えています。緻密さのあるコアな基盤に、さらにユニークさなどの部分が乗る形となり、より聴きやすくなっています。主立ったメンバーとしては、ハドソン・モホーク、ギャング・ギャング・ダンス、フィールドと言った顔ぶれが並びます。

 

そんな新たな取り組み・追求を積極的に続ける彼らは、日本国内でも圧倒的な人気を誇ります。特に目立つ面が、ライブステージです。2007年の国内主要フェス「フジロック・フェスティバル」における出演では、耳の肥えた音楽ファン、ロックファンが殺到し、海上は入場規制を設けた程です。名だたる海外アーティストも名を連ねるイベントだけに、その人気・実力・注目度が窺えると言った所です。

 

もちろん、音源の売り上げも忘れてはなりません。「ドロスグロップ」の原盤となる「グロス・ドロップ」の売り上げは、北は北海道本州は大阪までにおける各地CDショップにて、軒並み一桁台の売り上げを叩き出しました。

 

ライブにレコードにと、各面で高い実績を誇るバトルスのリミックス盤「ドロスグロップ」。洋楽ファン、そしてファンならずとも、耳にしておいてまず間違い無い一作と言えるでしょう。