「ドロスグロップ」は、2012年に実験的サウンドを追求するアメリカニューヨーク出身のバンド、バトルスによってリリースされたリミックスアルバムです。ハドソン・モホーク、ギャング・ギャング・ダンス、オリジナル盤である「グロス・ドロップ」への参加でも知られるヤマンタカ・アイ、そしてフィールド、コード9、ギ・ボラットと言う名だたるクリエイター陣を集結させて仕上げたこだわりの一作となっています。
中でも、インディーレーベル「セルフィッシュ」からリリースした「恐山のストゥージズ狂」の話題性でも知られる、「ボアダムス」のヤマタカEYEことヤマンタカ・アイとのリミキシングワーク、最終12曲目に収録の「Sundome」が特長的なトラックとなっています。日本、そしてNYにて、同様に実験的サウンドで名を馳せた豊かな才能誇る個性が加わることで、バトルスの可能性をまたさらなる域へと押し上げています。
また、印象的なアートワーク面においてもこだわりが隠されています。複数バリエーションを擁するカラフルなモチーフを撮影して仕上げたデザインとなっており、いずれもバンドメンバーの一人である、ギター・ベース・エフェクトを担当するデイヴ・コノプカが自ら手がけています。原盤ディスク「グロス・ドロップ」のピンク色をしたモチーフに、赤・黄・緑・水色からなる4色のカラーペイントをぶちまけた、まさに色彩豊かなクリエイター陣との連携を表すかのような仕様が特長的です。
またお気付きかと思われますが、原盤を絶妙にもじった、アルバムネーミングもまたその一つに挙げられます。そしてその他、リミキサーに関してもすべてバンド自らが人選した形となっています。細部まで本当に作りたいものを目指すためにこだわり抜いた、バトルスの緻密性が表れたリミックスプロジェクトなのです。
その他、バトルスのサウンドもまた、緻密さ、その他ヒリヒリ感と言った、ストイックな面が際立つ点が特長となっています。それらのプロ意識の高さが、現在の人気の高さに直結していると言っても過言ではありません。ですが、今作に至っては、実はそう言った従来のテイストとは異なる仕上がりとなっています。
それまでのボーカルタイヨンダイを擁した展開とは異なり、さらに明るさ、そしてユーモア・ユニークさなども追求した、聴きやすいアルバムでもあるのです。「グロス・ドロップ」におけるシンセライン導入、そして今作のバラエティ豊かなリミックスワークスが、大きく影響した形となっています。
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