ドロスグロップの評判

何かと一般層においては毛嫌いされるケースも少なくない、ポスト・ロック、ポスト・ハードコアと言ったコアジャンル。ですが、そんな分野に属しながらも、また新たにファン層拡大に臨むアーティストがいます。それが、エクスペリメンタルロックを展開する、バトルスです。

 

デイヴ・コノプカ、イアン・ウィリアムス、ジョン・ステニアーの3人からなる男性ロックバンドとして、欧米シーンのみならず、日本国内でも高い支持を誇ります。特にヒット作として注目を集めた、セカンドアルバム「グロス・ドロップ」に関しては、渋谷・新宿におけるCDチャートで2位、札幌で6位、名古屋で2位、大阪で7位と言ったそれぞれの最高位にランクインしています。またロック&ポップスのカテゴリ別ランキングでは堂々の1位をも獲得しています。全国のロックファンに至り評判高い一作となっているのです。

 

そしてさらに、そんなアルバムのリミックス盤として展開する「ドロスグロップ」が、洋ポストサウンドファン、また音楽ファン全体に大きな衝撃与える作品として、高い評価を得ています。何より特筆したい点は、豪華なリミキサー陣です。全12タイトル13曲からなる原盤トラックを、ハドソン・モホーク、ギャング・ギャング・ダンス、ヤマンタカ・アイ、またフィールドやコード9、ギ・ボラットと言った新進クリエイターまでもが挙ってそれぞれ手がけ、バトルスの音楽性に新たな風を吹き込んでいます。

 

それまでの同バンドと言えば、まさに「ポスト」のカラーが色濃く表れるトリッキーな変拍子等を多様したような作風でした。ですがそこに、それぞれの作家陣によるカラーが加わることで、ポップさ、ユニークさと言った、それこそ一般層にも聴きやすいテイストがプラスされた形となっているのです。これが、彼らの広い視聴層において知名度を誇る大きな理由の一つなのです。

 

また日本盤に関しては、独自の特典がついており、その点もまた手を伸ばしやすい理由の一つとなっています。2曲分のダウンロードカードが封入されており、ぞれぞれ、「Inchworm(Silent Servant Remix)」、「Toddler(Kangding Ray Remix)」のロングバージョンが収録される形となっています。

 

全12タイトルの中でも特に名高い曲目をより深く聴き込める特典となるだけに、まさにファン垂涎の付加価値が感じられると言った所です。またライナーノーツにも、代表的なライター野田努氏が携わっていたりと、プロモーション面でも余念のないアルバム作品となっています。